その後の取り締まり強化を受けて対日密輸は行われなくなったが、最近では、フィリピン国内で北朝鮮製の覚せい剤が流通しているとの情報もある。
(参考記事:謎に包まれた北朝鮮「公開処刑」の実態…元執行人が証言「死刑囚は鬼の形相で息絶えた」)乱造される薬物が、いつまた日本に入ってこないとも限らない。また、何も知らず違法薬物の害毒にさらされている北朝鮮の人々を救済する見地からも、この問題についてより活発な議論が必要だと思う。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。