そうでなくても、8月末に北朝鮮北東部を襲った台風10号(ライオンロック)による洪水で、国境警備施設が大規模に破壊され、脱北者が増えると予想されていた。金正恩氏は、水害被災地に秘密警察を派遣してまで、脱北行為を未然に防ぎ、なおかつ住民統制を強化しようとしていた。
(参考記事:水害被災地に「拷問部隊」を送り込んだ金正恩氏の狙い)内部情報筋によると、今回の即時射殺命令には「見せしめ」効果もあるという。国境警備隊員は、射殺された2人の遺体を葬ろうとした人に対して「お前もあんな風になりたいのか」と恫喝しながら、遺体を放置させているのだ。