値段は末端価格で1グラム100元(約1500円)から120元(約1800円)。1グラムを10回から20回に分けて吸引する。2000年代に入り、「オルム」は庶民のあいだで急速に広まった。
平壌以外ではロクな娯楽施設もなく(あっても高くていけない)、味気ない生活のストレスを解消するものとして、運送や売春など、厳しい仕事をこなすための「強壮剤」として使われている。
(参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち)また、最近では中学生までも親と一緒に吸引するようになった。大げさな話と思われるかもしれないが、こうした話は脱北者だけでなく、北朝鮮国内に住む人々も当たり前のように話す「常識」となってしまった。
(参考記事:一家全員、女子中学校までが…北朝鮮の薬物汚染「町内会の前にキメる主婦」)この「オルム」はもともと、北朝鮮屈指の化学都市、咸鏡南道の咸興(ハムン)市で密造されていた。