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庶民はひと月の生活費と同様、あるいはそれを遥かに上回る高価な機械を買い求めては、布団にくるまり、つかの間の「自由な世界」を、文字通り命がけで楽しんでいる。

その最終進化型が「ノートテル」と呼ばれる、ポータブル再生機だ。8~10インチほどの画面を持ちながら、あらゆるメディアを再生でき、一度充電すれば一週間以上は動くタフな中国製の小型家電は2010年以降、北朝鮮住民のマストアイテムとなっている。日本でVHSが普及したきっかけが成人用ビデオだったことと似ているかもしれない。

「ノートテル」の普及を支えるのはコンテンツだとしても、どのようにして、当局の嫌うこの機器が供給されているのか。答えは「密輸」である。デイリーNKジャパン編集部が11月初頭、北朝鮮で「ノートテル」密輸を行ってきた脱北者と韓国で行ったインタビューを通して、韓流普及のウラ事情を紹介する。