ほかにも、「女子中学校の生徒の半分が汚染されていた」との情報もある。その詳細は後述することにして、この辺で背景の説明が必要だろう。
北朝鮮の覚せい剤ビジネスは1980年代まで遡る。
当時の北朝鮮は、経済面で韓国に追い越され、どんどん差を広げられていた。故金日成主席は、ソウルオリンピックに対抗すべく、1989年に第13回世界青年学生祝典を平壌で開催した。大会は成功裏に終わったものの、多くの若者を受け入れる施設の建設に莫大な予算を注ぎ込んだため、クビが回らなくなっていた。そこに、共産圏の崩壊が追い打ちをかけ、北朝鮮経済は青息吐息の状況だった。
タイから技術者を拉致
金王朝の2代目、故金正日総書記はその頃、朝鮮労働党中央に対して次のような指示を下したと伝えられている。