デノミは、旧紙幣から新紙幣への交換にあたって一世帯あたり10万北朝鮮ウォン(当時のレートで30ドルほど)の上限額が設けられ、残りは強制的に銀行に預けなければならない「事実上の没収」だった。
人々は財産を失うまいと米ドルや中国人民元を求めて市場に殺到した。物資は不足し、ハイパーインフレが起きた。北朝鮮ウォンで資産を蓄えていた住民は、財産のほとんどを失い大打撃を被った。
国は大混乱に陥り、餓死者も出た。爆発寸前に至った人々の不満を抑えるために、金正日氏は、朴南基(パク・ナムギ)前労働党計画財政部長を銃殺にし、事態の収拾を図った。