しかし、その一方で石炭価格の上昇は北朝鮮庶民の懐を直撃している。一部の炭鉱は、採掘した石炭のすべてを輸出に回すため、国内需要を満たせなくなっているからだ。
庶民の間からは「越冬用の石炭を買おうにも高くて買えない」との声が上がっている。高騰する石炭の代わりに、薪を使う人が増えれば、北朝鮮で慢性的な問題となっている森林破壊へとつながりかねない。
このような状況はいつまで続くのだろうか。
中国政府は、石炭生産量の調整を一部緩和し、国内での供給量が落ち着きを見せたことから、石炭価格は下落に転じるとの見方が支配的だ。
一方で、中国政府は安全設備の整っていない炭鉱の閉鎖を進めており、中長期的には北朝鮮産の石炭の需要が増すとの見方もある。