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北朝鮮は12年間の義務教育がすべてタダだと宣伝している。学費も制服も教科書もすべて無料のはずだが、実際は有料化されていて、親がその負担を強いられる。教師も、学校からの食料配給や給料の遅配、もらえても生活が成り立たないほどの額なので、生徒を相手に家庭教師をやって糊口をしのいでいる有様だ。

親たちは、子どもに少しでもいい教育を受けさせようと必死だが、学校から要求されたカネやモノを提出できず、教師や金持ちのクラスメートにいじめられることもあるという。経済的、心理的負担に耐えかねて学校をやめる生徒たちが増えていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋によると、冬には必須の暖房費が学校から親に請求されるという。貧しい子どもたちは、冬休み返上で山に登り、薪集めをしているという。要求量はクラス単位で決められているようで、長期欠席している生徒の分まで負担が増えることになる。

貧しい子どもたちは教師から「いつ持ってくるんだ」と叱責を受ける一方、金持ちの子どもにとっては大した額ではないため、現物の代わりに現金で支払い「優等生」扱いしてもらえるという。

別の情報筋によると、学校運営費、様々な社会支援金などの名目で徴収される額は、生徒1人あたり1ヶ月2万北朝鮮ウォン(約300円)。コメ4キロ分に相当する額だ。出せなければひどい扱いを受けるため、それに耐えられず学校をやめる子どもたちもいるという。

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例えば、清津(チョンジン)市松坪(ソンピョン)区域の初級中学校では、生徒1人あたり1立方メートルの薪を持ってくるように言っている。これは、60センチの薪30本に相当する量だ。これを現物、またはそれに相当する額、中国人民元で150元(約2690円)を現金で納めなければならない。これはコメ39キロ分と、かなりの負担だ。

このような状況は90年代末の大飢饉「苦難の行軍」の頃から始まっている。ある脱北者が米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)に語ったところによると、食糧難や学校からカネやモノを出せという要求に応じられず、1クラス50人のうち35人が学校に出てこなくなったという。

程度の差はあれ、そのような状況が15年以上続いているとするならば、人材の不足など、今後の北朝鮮の発展に深刻な影響を与えるおそれがある。