北朝鮮は21日、国営の朝鮮中央通信を通じて「ベラルーシに大使館を開設した」と発表した。ベラルーシ政府は大使館の存在を否定していたが、現地メディアにより大使館の存在が確認された。

ベラルーシのニュースサイト「TUT.BY」は、北朝鮮の大使館が首都ミンスクに開設されたと報じている。代理大使はパク・ヨンシク氏、通商代表はリュ・ホンチョル氏だ。

北朝鮮国旗が掲げられ

建物は、ミンスクの北の郊外にあるピエルヴァヤ・スモルゴフスキー通り16番地にある2階建ての一軒家。高い壁に囲まれており、完成した3年前から空き家になっていた。

敷地内には北朝鮮の国旗が掲げられ、玄関には朝鮮語、ベラルーシ語、ロシア語で書かれた「ベラルーシ共和国駐在朝鮮民主主義人民共和国大使館」との表札が掲げられている。

ミンスクの北朝鮮大使館の玄関に掲げられた表札(画像:TUT.BY)
ミンスクの北朝鮮大使館の玄関に掲げられた表札(画像:TUT.BY)

大使館の開所式は北朝鮮、ベラルーシ両国政府関係者が出席し、26日の正午から開かれた。

近隣に住むエレーナさんは「外交官ナンバーの車で乗り付けた北朝鮮とベラルーシの役人30人ほどが参加していた。スピーチを読み上げ、国旗を掲揚するなど式は40分間続いた」と当日の様子を語った。

一方、別の地域住民は「式が終わった日以降、建物に明かりが灯った日はない。実際に業務を行っているのかどうかわからない」と述べている。

米が「悪の枢軸国」呼ばわり

大使館開設の件に関して、ベラルーシ外務省はこの事実を確認した上で「北朝鮮にはロシア、中国のみならず30カ国が大使館を構えており、逆に北朝鮮はチェコ、スウェーデンなど40数か国に大使館を構えている。北朝鮮の大使館開設は特に驚くべきことではない」と述べた。

また同国外務省は「大使館開設は、北朝鮮の核実験をめぐる状況が、現状のようになる前から話し合われてきた」とし、昨年3月に李洙墉(リ・スヨン)外相がベラルーシを訪問した際、3人の北朝鮮外交官を承認したとも述べている。

一方で、「貿易と経済を担当する3人の北朝鮮外交官をベラルーシ外務省は承認したが、完全な機能を果たす大使館はまだなく、北朝鮮側の大使もまだ任命されていない」としながら「北朝鮮に対する国際社会の規約や国連安保理の決議に対するベラルーシの立場には変化がない」と述べ、北朝鮮と距離を置こうとする姿勢をにじませた。

ベラルーシのルカシェンコ大統領は1994年以来、政権の座に居座り強権政治を行うなど「ヨーロッパ最後の独裁国家」と呼ばれている。欧米諸国は再三にわたり非難し、高官の入国禁止や外国資産の凍結などの制裁措置を行った。

ジョージ・W・ブッシュ米大統領(当時)は同国を北朝鮮などと並ぶ「悪の枢軸」だと名指しで非難し、反政府組織の支援を行った。こうしたことから、ベラルーシは米国の大使を承認せず、大使館員を追放するなど、事実上国交断絶状態だ。

当初は反発していたベラルーシも、経済危機打開のために政治犯を釈放するなどある程度柔軟な姿勢を見せ始めている。それに伴いEUは今年2月にほとんどの制裁を解除した。

このような状況での北朝鮮大使館の開設は「北朝鮮の友好国家」「独裁国家への後戻り」とみなされることを懸念しているものと思われる。

ベラルーシのTUT.BYが報じたミンスクの北朝鮮大使館(画像:TUT.BY)

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