台風10号(ライオンロック)の影響で、北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンブクト)と隣接した中国吉林省延辺朝鮮族自治州では大雨が降り続き、「100年に1度」と言われるほどの大被害が発生している。

2日と6日の朝鮮中央通信は、道内の会寧(フェリョン)、茂山(ムサン)、穏城(オンソン)、慶源(キョンウォン)、慶興(キョンフン)、延山(ヨンサン)、羅先(ラソン)に甚大な被害が発生し、60人が死亡、25人が行方不明になったと伝えているが、北朝鮮と中国を結ぶ物流の大動脈である道路が寸断したことが明らかになった。

中国の貿易業者はデイリーNKジャパンの取材に次のように答えた。

「会寧と羅先で多くの家が流出し、大量の死者が発生している」
「北朝鮮の羅先と中国の琿春を結ぶ道が寸断し、通行止めになっている」
「帰国予定だった同僚の中国人女性が羅先で足止めされており、いつ帰国できるかわからない状況だ」
「税関も業務を停止している」

この道は、昨年降った大雨でも流出しており、中国の援助で復旧したが、また流出してしまった。

一方、北朝鮮住民が中国当局に救出される事態も相次いでいる。

中国メディアによると、北朝鮮当局は先月31日の18時、中国当局に対して「穏城郡の豆満江の中洲に北朝鮮の男性2人と女性1人が取り残されている」と救助要請を発した。

中国の国境警備隊は救出人員を急派し、3人の位置は確認したものの、水の流れが早く、救助できなかった。翌日にボート2隻、ドローンを動員して、16時30分にようやく救助に成功した。

救助された女性は現地テレビの取材に「水位がどんどん上がり、動けなくなってしまった」と答えた。(次ページに関連動画)

中国軍に救助されて、現地のテレビのインタビューに応える北朝鮮の女性(画面:図們テレビキャプチャー)
中国軍に救助後、現地のテレビのインタビューに答える北朝鮮の女性(画面:図們テレビキャプチャー)

また、3日には中国の和龍市南坪鎮興華村では、急流に流されてきた北朝鮮の男性1人、女性1人が発見された。中国軍当局はヘリコプターで救助し、病院に収容したが、女性は重傷を負って動けない状態だ。

中国の延辺朝鮮族自治州のほとんどの地域では雨が上がっているが、最南部の琿春市では、断続的に大雨が降り続いている。豆満江対岸の北朝鮮の穏城、慶源、慶興でもさらなる被害拡大が懸念されている。

【動画】中国の人民解放軍が北朝鮮住民をヘリコプターで救助する様子を報じる中国中央テレビ

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