その原因は「密告」にある。
北朝鮮の貿易会社には、労働党系、人民軍(北朝鮮軍)系、保衛部(秘密警察)系など様々な系列の会社がある。よその系列の貿易会社の方がいい成績をあげていたら、自分たちの会社は叱責されることになりかねない。そこで密告して足の引っ張り合いをするというわけだ。
密告する内容は主に私生活に関することだ。
私腹を肥やしている、女性を囲っている、贅沢が過ぎる、韓流ドラマにハマっているなど口からでまかせを並び立てると、司法機関も動かざるをえない。また、保衛部にとって密告は渡りに船だ。ライバルを潰し、自分たちの貿易会社をさらに儲けさせる絶好の機会だからだ。