発泡スチロールにつかまり黄海を漂流していた27歳の北朝鮮男性が、韓国の漁船に無事救助された。韓国の聯合ニュースが報じた。

韓国本土から西に80キロ離れた延坪島の漁業関係者の証言によると、24日の午前7時10分ごろ、小延坪島の近海で男性が発泡スチロールにつかまって漂流しているのを韓国軍の監視兵が発見した。

男性は、ちょうどすぐそばを航行していた漁船に救助された。船に引き上げられた当時、男性は下着(パンツ1枚)しか身に着けていない状態だった。

漁船の船長によると、男性に話しかけても最初は返事がなかったが、しばらくすると北朝鮮の訛りのある言葉を使って話しだした。

保安当局は男性を保護し、現在取り調べを行っている。海が穏やかだったことを考えると、遭難ではなく、脱北と思われる。

一方、韓国の保安当局によると、今月7日に北朝鮮の漁船と見られる船舶が航行しているのを、平澤海洋警備安全署(旧海洋警察)が発見した。3人の乗組員は北朝鮮人で、全員が亡命する意思を示したため、港へ移送し、保安当局に身柄を引き渡した。

現在、国家情報院の北朝鮮住民保護センター(旧合同尋問センター)で取り調べを受けている。乗組員の身元は明らかにされていない。

同署の管轄区域から最も近い北朝鮮の黄海南道(ファンヘナムド)延安(ヨナン)郡までは80キロほど離れており、この海域で脱北船が発見されたのは今回が初めてだ。当局はこの船が北朝鮮ではなく、中国の港から出港したものと見ている。最も近い山東省の栄成港からは300キロ離れている。

この海域のルートを使って脱北した人は、この5年間で40人を数える。

延坪島は、北朝鮮からわずか10キロしか離れておらず、一見して脱北しやすいように思えるが、実は非常に危険なルートだ。

海上の軍事境界線と言われる「北方限界線」が通るこの海域は、南北双方の軍の警戒が厳しく、北朝鮮の監視の網を無事にかいくぐったとしても、韓国軍に攻撃される可能性があるからだ。

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