平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、平壌手芸研究所は2000年代初めから当局の指示に従い、外貨稼ぎのための刺繍を制作するようになった。
刺繍が儲かると聞きつけた貿易会社が、研究所と連携して、大々的な美術品ビジネスに乗り出したのだ。
貿易会社は刺繍を量産するため、職人を多く育てることにした。地方で雇い入れた女性たちに、刺繍の技法を教え込み、様々な作品を制作させるようになった。
10倍の値が付く「カリスマ」
彼女たちが作っているのは、北朝鮮の「正史」において金正日氏の生家(故郷)とされているパルチザン基地を描いた「白頭山密営故郷の家」など、金氏一家のプロパガンダ目的の作品群だが、実はそれらは「主力商品」ではない。