両江道の情報筋によると、軍では1食に出されるコメの量は250グラム(約1.4合)と規定されているが、実際は100グラムから150グラム、ひどいところでは70グラムのコメ、炊いたご飯にすると茶碗1杯分しか配給されない。流通過程での横流しが横行しているからだ。
三池淵(サムジヨン)郡のある部隊では、副食(おかず)がないため、指揮官の命令で山に山菜採りに出ている。ところが、栄養失調で力が出ず、すぐにへたり込んでしまうという。空腹に耐えかねて、民家に盗みに入る兵士もいるが、逃げる力もなく、家の中に横になる者もいる有様だ。
一方、多少元気のある兵士たちは、国境を超えて中国の民家に強盗に入っている。凶悪事件の多発で、中国当局は脱北者への取り締まりを大幅に強化している。密輸や出稼ぎのための脱北ができなくなれば、現金収入が減り、地域経済に悪影響を及ぼす。また、密輸が困難になったことで、コメ価格も上昇し、飢餓に陥っている黄海道の人々まで影響が及ぶ。