しかし、アジアでの安全保障上の利害は錯綜しており、それは米軍の最新鋭高高度迎撃システム(THAAD 〈サード〉)の韓国配備などをめぐっても、さらに複雑さを増している。
間違いないのは、北朝鮮がそこに生き延びる道を見出しているであろうことだ。
(参考記事:金正恩外交、意外な「粘り腰」見せる…中国とも「親密」アピール)そもそも、金正恩氏が最も嫌がる人権侵害の追及には、この問題で「同じ穴のムジナ」と言える中国はきわめて消極的で、むしろ北朝鮮の守護神とも言える存在ですらある。
(参考記事:それでも揺るがぬ中国と北朝鮮の「拷問」同盟)直近の経済制裁に中国が協力姿勢を示したとき、それで北朝鮮の核開発を止められるかのような期待感が、少なくとも国際社会の一部にはあった。しかし、それはやはり無理なのかもしれない。