だとすれば、何が中国にそうさせたのか。政策転換の結果が6月の統計に表れるには、政治的決断はそれ以前に下されていなければならない。
だとすると、すぐに思い浮かぶのは、米海軍のイージス駆逐艦「ウィリアム・P・ローレンス」が、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島で現地時間の5月10日、「航行の自由」作戦を実施したことだ。中国を牽制する同作戦は昨年10月、今年1月に続き3回目を数え、さらに、南シナ海での領有権問題を巡り、フィリピンが提起した常設仲裁裁判所の裁定を目前に控えていた。
5月の同作戦を受け、中国軍高官は「武力をひけらかし、徒党を組んで中国に対抗し、仲裁受け入れを迫ることに断固として反対する」と猛反発していた。
6月の貿易データが、中国の対北戦略の転換を意味するのかどうか、その原因が南シナ海の問題や米中関係にあるのかどうか、ここで即断することはできない。