北朝鮮当局は、コミュニケーションアプリのLINEやカカオトークが「スパイ活動に利用される」として、取り締まりを強化している。その一方で、北朝鮮独自のアプリを開発したが、利用は厳しく制限されている。

平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、このアプリの名前は「セビョル」(新しい星)。チャット、画像や音声ファイルの転送など、機能的にはLINEとさほど変わりない。ただし、一般のアプリとは大きく異なる点がある。それは、使用に際して許可が必要という点だ。

秘密警察が監視

中国遼寧省丹東に滞在中の北朝鮮の貿易会社の幹部によると、このアプリ、一般人の使用は固く禁じられている。使用できるのは、貿易会社、外貨稼ぎ機関の職員が、国内と海外とで仕事上のやり取りをすることに限られている。

希望者は、貿易部と保衛部(秘密警察)に申込書を出して、許可を得なければならず、実際に使用できるのは社内でも限られた人だけだ。また、インターネットもこのアプリを使用する目的と貿易、商品に関する情報以外に使ってはならない。

このアプリがインストールされたスマートフォンは、保衛部がアクセス記録を監視している。どのような形で監視しているかは不明だが、監視用のアプリを使ったものだったら、少しの知識さえあれば、いとも簡単に逃れることができる。

しかし、その必要はないのかもしれない。中国にいる幹部や保衛部の要員は、サムスンやLGなど韓国製のスマートフォン使い、密かにインターネットにアクセスしているからだ。

中国のデイリーNK対北朝鮮情報筋によると、その目的は、インターネットを使って海外の北朝鮮報道を検索、分析するというものだ。使っている人は暗黙の了解でかばい合っているので、抜き打ち検査が行われても摘発されることはないという。

    関連記事