命令に逆らえば、家族一家が平壌から追放されてしまう。抵抗を続ければ、政治犯収容所に送られるかもしれない。父は泣く泣く、妹を遠く離れた伯父の家に養子に出した。
しかし、妹は地方の環境に馴染めず、学校でケンカし、警察沙汰を起こした。それ以来、家に引きこもってしまった。
3年後。夏休みに平壌に戻ってきた妹は、頑として伯父の家には戻ろうとしなかった。そこで父は、同じ平壌市の楽浪(ランラン)区域に住んでいる母方の祖母と相談し、区域の労働党幹部に大金をワイロとして渡し、平壌居住を認めさせた。
断種手術を強制
しかし、それには条件が付いた。