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当時、筆者は中朝国境地帯で取材中、北朝鮮出身のコチェビ(ストリートチルドレン)たちが、病気の母を助けるため、国境の川を渡り、物乞いしている姿をよく見かけた。このコチェビが、無事お金を貯めて、北朝鮮に帰るとなった時、心優しい中国の朝鮮族は、抗生物質や市販の風邪薬などを「使ってもいいし、余ったら市場で売りな」と言いながら餞別として渡していた。

当時の、医療環境の劣化を表すエピソードとして、ある脱北者は、麻酔薬なしの切開手術を行った「恐怖体験」について証言している。

(参考記事:【体験談】仮病の腹痛を麻酔なしで切開手術…北朝鮮の医療施設

医学生がヤミの中絶手術

国家がまともな医療行政を放棄してしまったことから、ベテランで優秀な医者たちは、自宅で民間診療所を開き、経済的に余裕のある特権階級幹部やトンジュ(金主)を顧客に医療活動を続けはじめた。