北朝鮮のタブレットPC、妙香(ミョヒャン)。昨年発売されたこの製品、当局は「わが国独自の技術で制作した」と宣伝しているが、ユーザーの間では「どうも様子が変だ」との噂が立っている。

平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、このタブレットPC、大学生の間で人気を博している。

ホーム画面が北朝鮮らしく白頭山の天池の画像になっており、労働新聞やわが民族同士にイントラネットでアクセスできるブラウザ、画像や動画の撮影、録音、音楽再生できるソフトがインストールされており、韓流ドラマやK-POPを見る学生もいる。

また、一般人が中々目にする機会がなかった「朝鮮大辞典」のアプリが入っており、人権、市場、歴史などの関連ワードを検索し、現実を照らし合わせるのが楽しいと言う学生も多いという。

ところが、彼らの間から「中国製のパッケージを変えただけで、国産と産地偽装しているんじゃないか」という疑惑の声が上がっている。その根拠はカレンダーアプリだ。

あろうことか、カレンダーに、「民族最大の名節」である4月15日の太陽節(金日成氏の生誕記念日)と2月16日の光明星節(金正日氏の生誕記念日)の表示がないというのだ。

北朝鮮当局が国産品だと宣伝するタブレットPC妙香のパッケージ(左)、4月15日の太陽節の表示が抜けているカレンダーアプリ(画像:デイリーNK)
北朝鮮当局が国産品だと宣伝するタブレットPC妙香のパッケージ(左)、4月15日の太陽節の表示が抜けているカレンダーアプリ(画像:デイリーNK)

それだけではなく、曜日表示が「日、月、火」ではなく中国式の「週日、週一、週二」となっており、アプリ名のほとんどが中国語になっていることを考えると、もはや言い逃れはできないだろう。

学生の間からは様々な反応が聞こえてくる。「国産品のはずなのに中国語表記になっているなんて、到底理解できない」としつつも、「いくらなんでも、カレンダーに太陽節と光明星節が入れられないとは考えられない。単純ミスだろう」と自分を慰めるように語る学生がいる。

その一方で、「アプリの入れ替えすらできないほど、わが国の技術は劣っているのか」「思想教育と偶像化だけは先進国だったはずなのに、その力さえ失われつつある」と嘆く学生もいる。

いずれにせよ、「最高尊厳のご尊名」を欠落させたアプリ担当者、タダでは済まないだろう。

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