北朝鮮の潜水艦が、性能面で日本の脅威になる日はしばらく来ないだろう。海上自衛隊にとって、捕捉・撃沈は難しいことではないかも知れない。だからこそ、海自が北朝鮮の核ミサイル潜水艦を撃沈すべき状況が生じうることを、今から認識しておく必要がある。
(参考記事:いずれ来る「自衛隊が北朝鮮の潜水艦を沈める日」)しかしそれにしても、北朝鮮の弾道ミサイル潜水艦開発の取り組みが20数年前に日本企業の仲介で始まった時には、世論の関心はさして高くなかった。そしていつの間にか、状況はここまで悪化してしまった。
(参考記事:北のミサイル潜水艦開発に「日本企業」の影)北朝鮮の核・ミサイル開発によって、日本の将来にどのようなリスクが生じうるか、日本政府はすっかり低調になりつつある対北情報戦への投資を増やし、活発に意見交換する空気を作るべきではないのか。
(参考記事:【対北情報戦の内幕】あるエリート公安調査官の栄光と挫折)高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。