一方、家族や親戚にプレゼントすることは問題にされない。そこで、厄介払いを兼ねて、結婚する子どもにプレゼントする幹部もいる。何か言われても「金正恩氏への忠誠心を受け継ぐという意味を込めて贈った」などと言い訳ができる。
かつて、金日成氏から受け取った贈り物は「家宝」として大事にされた。しかし、カリスマもなく、忠誠心も得られていない金正恩氏からの贈り物は、単なる品物に過ぎない。プレミアが付かないため、市場では、他の製品と同じ値段で売られている。忠誠心の厚い人や、田舎の幹部なら喜ぶかもしれないが、質の高い外国製品を愛用している都会の幹部には「金正恩ブランド」はありがた迷惑に過ぎない。