北朝鮮では、今年5月の党大会まで大増産運動「70日戦闘」が行われた。その直後から、党大会で発表された「国家経済発展5カ年戦略」を遂行するための「200日戦闘」が繰り広げられている。

こうしたなか、北朝鮮当局は講演で「戦時体制のように生活しろ」と訴えている。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNKの内部情報筋は語る。

「7月1日から当局は、『戦時体制に入ることについて』という講演を通じて『戦時と同様に、緊張を持って生活しろ』と強調している。朝鮮戦争後の復旧体制のように、生産も生活も緊張感を持てという意味だ」

これに対して、人々は「なんであろうと、仕事がなければ、我々は生きていけない。食べ物が最も不足している時、市場を駆けずり回らなければならない庶民の気持ちはどうでもいいのか」と不満を述べている。

こうした人々の不満をよそに、北朝鮮当局は、200日戦闘に関連した各種宣伝ポスターを平壌をはじめとする主要都市のいたるところに設置。歌を制作して芸術宣伝隊を通じて宣伝するなど、200日戦闘の雰囲気を高めようとしている。

また、企業所(会社)別に目標の生産量を提示し、「戦闘日誌」を作成することまで指示している。北朝鮮メディアも連日のように、金正恩党委員長が工場などの生産現場を現地指導する様子を伝えながら、「生産を飛躍的に増やすための闘争を繰り広げなければならない」と、アピールしている。

しかし、現場では、毎日のように「総和(総括)」が行われ、幹部たちもピリピリしていると情報筋は語る。

「幹部たちは、こんな時になにか失敗でもすれば、立場が危うくなることを知っている。そのせいか、小言を言いながら、住民にいらだちをぶつけている」(咸鏡北道の内部情報筋)

一部の司法機関は、「戦時体制を維持しろ」という指示によって、24時間交替勤務制まで導入し、庶民からは、「涙の月7月(金日成死去後から生じた言葉)は、どこにいったんだ」と非難されていると情報筋は付け加えた。

北朝鮮当局は、生産増大をアピールするだけでなく、教導隊など民間武力に対する訓練も強力に進めており、人々は200日戦闘動員に加えて、軍事訓練の動員にも苦しまされている。

全国の教導隊と赤衛隊では、「行軍」「陣地獲得訓練」が実施されている。そして、企業所からは、従業員の半分を軍事訓練に動員させられ、残りの従業員で、200日戦闘の課題をこなさなければならない。

この時期、北朝鮮は湿気が多く不快な時期だ。じっと座っているだけでも、汗ばんでくるのに、戦闘服を着て、訓練に参加する人々の表情は、不満で歪み、死に物狂いで踏ん張っている状態だ。

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