北朝鮮メディアで最近、肖像画を守るために命を投げ出した船員の美談が大々的に報じられている。

朝鮮中央テレビは最近、「信念の願い~駕馬浦(カマポ)水産事業所あんこう網漁船1728号の船員たち~」という15分番組を放送した。

内容は、平安南道(ピョンアンナムド)甑山(チュンサン)郡にある駕馬浦水産事業所所属の漁船が、黄海で漁を行っていたところ、暴風雨に遭い沈没、船長以下8人が死亡。沈没直前、無線で船長は次のような遺言を残した。

「同志たちよ、70日戦闘のことを頼んだぞ。70日戦闘の目標を必ず達成してくれ」

事故から15日後。海岸に船長の遺体が打ち上げられた。船長の首と肩に赤い布で包まれた筒が結び付けられており、その中には金日成氏と金正日氏の肖像画が入っていた。とても丁寧に包まれ、まったく濡れていなかったという。

亡くなった船員たちは、労力英雄の称号を与えられ、大々的に賞賛されている。

命をかけて肖像画を守ったエピソードは、国営メディアで大々的に報道されるが、北朝鮮の人々もバカバカしいと思っているようだ。

その一方で、たとえ生き残ったとしても、肖像画の破損がバレたらひどい目に遭わされるかもしれないとの恐怖心から、肖像画を守るために命を落とす事例も多く報告されている。

北朝鮮では、悪天候をおして出港したり、設備が整っていない船で漁に出て事故に遭う漁師が後を絶たない。本当に大切にされるべきはどちらなのか、言うまでもない。

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