その保衛部が、今なぜ300人もの住民を逮捕するほどの大がかりな捜査を行っているのだろうか。
送金ブローカーとは、主に韓国在住の脱北者が北朝鮮に残した家族へ送るお金を仲介する。もちろん、送金過程では手数料や内通した当局者へのワイロ分などが中抜きされるわけだが、その額は決して少なくない。今では単なる仕送りのレベルを越えて、北朝鮮経済を支える資金源になっているとの報告もある。
(参考記事:脱北者の送金が支える北朝鮮経済)保衛部は先月、なんからのトラブルのために脱北し韓国へ行った元送金ブローカーの女性の家を捜索。送金履歴に関する書類を発見し、それを理由に捜査を拡大しているという。捜査の過程では、拷問も行われているとのことだ。
(参考記事:北朝鮮「核の暴走」の裏に拷問・強姦・公開処刑 )しかし、こうした捜査の容疑に対して「ねつ造ではないか」と指摘する内部の声もある。