彼らの権力基盤は、あくまで正恩氏との「近さ」にあり、軍事組織の利害は二の次だろう。朝鮮人民軍の内部は、末端兵士らが栄養失調にあえぐなど惨憺たる状態にある。そうした現実の中で「政治軍人」と「野戦軍人」の間で政治闘争が起き、前者によって後者が葬られているのではないか――そんな推測も可能なのだ。
ちなみに、黄炳瑞氏の前任として総政治局長の地位にあった崔龍海(チェ・リョンヘ)書記もまた、正恩氏側近の「政治軍人」だが、「変態性欲者」であるとの情報もあり、その評判は軍の内外を問わずきわめて悪い。
(参考記事:美貌の女性の歯を抜いて…崔龍海の極悪性スキャンダル)「同窓会」に血の弾圧
日本のマスコミは長らく、「北朝鮮の軍部強硬派の暴走」に言及する傾向がうかがえたが、そんなものは根拠のない作り話に過ぎない。