いや、稼働しているだけまだマシだ。韓国労総の報告書によると、2008年現在、北朝鮮全土の工場の70~80%は全く稼働していない。それでも成果を要求される。
だからと言って、中間幹部たちが「成果はありません」との報告を上げるわけにはいかない。総和(総括)で責め立てられ、クビになり、山奥の農場や炭鉱に飛ばされてしまうからだ。ヘタをすれば収容所送り、さらなる最悪な結末を招くこともある。
昨年、スッポン養殖工場の支配人が処刑される事件が起きた。工場に電力が供給されなかったことが招いた不祥事の責任を取らされるという、あまりにも無慈悲で理不尽な処刑理由だった。それでも、金正恩党委員長は、処刑する直前の動画を公開。金正恩式恐怖政治の怖さをイヤと言うほど国民に見せつけた。
(参考記事:【動画】金正恩氏、スッポン工場で「激怒の現地指導」)ある工場の中間幹部は、とりあえず仕事をしているふりをしようと考え、残った従業員に工場の敷地にある畑で農作業をさせることにしたが、2日もあれば終わってしまう。他にも何か仕事はないかと考えているが、何もない。