こうした状況をざっくりと分析するならば、叩き上げの野戦軍人たちが、元々は党官僚である政治軍人たちとの権力闘争に敗れ、出世の「肥し」にされているようにも見える。かつて、朝鮮人民軍がベトナムや中東で米軍やイスラエル軍と死闘を繰り広げ、国威発揚を担ったのも今は昔である。
(参考記事:第4次中東戦争が勃発、北朝鮮空軍とイスラエルF4戦闘機の死闘)党官僚出身の政治軍人たちの権力基盤は、あくまで正恩氏との「近さ」にあり、軍事組織の利害は二の次だろう。朝鮮人民軍の内部は、末端兵士らが栄養失調にあえぐなど惨憺たる状態にある。
薄れる関心
一方、正恩氏が戦略軍に愛情を注ぐのは、それが先端技術を駆使する部隊であるからにほかならない。