北朝鮮では、日本の植民地統治時代や、朝鮮戦争後に旧ソ連などの援助で建設された工場、発電所、ダムなどが大した補修もされないまま未だに使われている。
その最たる分野の一つが「鉄道」なのだが、冒頭で触れた核実験の影響も、ここに重なる形で出ているのだろう。とくに平壌と東海岸の羅先(ラソン)を結ぶ平羅(ピョンラ)線では、老朽化に起因する大事故が過去に2件も発生。超満員の客車が谷底に叩き付けられ、川の水が血で赤く染まったこともあった。
(参考記事:死者数百人の事故が多発する北朝鮮の「阿鼻叫喚列車」)以前、韓国政府が発表した報告書によると、北朝鮮鉄道の主要幹線を補修するだけでも50億ドル以上かかると推測されている。これは、昨年10月10日に開催された朝鮮労働党創健70周年を記念する軍事パレードが2.5回できる額だ。