海外に派遣された北朝鮮労働者が、厳しい監視のもとで、劣悪な環境で働かされていることは、国際的な人権問題になっている。それに加えて、死亡者数が異様に多いことが明らかになった。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

匿名を要求した韓国の北朝鮮研究者によると、現地のメディア報道や情報筋からの情報を総合し確認した結果、2015年1月から今年4月までに亡くなった北朝鮮労働者は112人に上る。

112人というのはあくまでも確認できた数字で、報道されていないものや、船上などで死亡し、確認が難しいものまで含めると、その数ははるかに多いものと思われる。

地域別では、ロシアが61人で最も多く、中東やアフリカでは46人だ。死因別では、脳出血、心臓麻痺などの病死が最も多く、次いで労災事故、風土病の順だ。

海外に派遣された北朝鮮労働者の数が5万人だとすると、2015年の1万人あたりの死亡者は16人となる。これを国際労働機関(ILO)の2013年の資料と比較すると、英国の320倍、米国の53倍、中国、ロシアの16倍、アフリカ諸国の8倍と異様に高い数値を記録した。

とりわけ今年1月から4月までの死者の数は32人に達し、このまま推移するなら昨年1年間の80人より遥かに多くなり、死亡率はさらに高くなる。

死亡者急増の背景には、今年開かれた朝鮮労働党第7回大会があるものと思われる。当局は「大会開催に必要」との理由で、海外で働く労働者に払わせる上納金の額を増やした。

現場責任者は、当局から要求された額を納めるために、ただでさえ多かった労働時間を増やし、無理な残業をさせたことにより、労災事故や病気が多発したものと思われる。

また、現場を脱走した労働者に対しては、アキレス腱を切断したり、掘削機で足を叩き潰したりするなどの暴力行為が行われている。

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