「最新型テレビが富の象徴の一つになりつつある。なかでも、中国を通じて輸入される日本のソニーが最も人気だ。その次が、韓国LG、そしてサムソンだ」
情報筋によると、今ではテレビだけでなく、エアコン、空気浄化機、除湿機などの家電製品の人気も高まり、平壌ー北京を繋ぐ国際列車の荷物車両は食品より、家電製品でぎっしり詰まっているという。
北朝鮮で「ソニー」が一番人気で、韓国製が二番手、そして中国製がその後に続くというのも意外な話ではない。
高級幹部やトンジュの家庭の子どもたちは、整形を厭わずZARAなどのファストファッションを好む。さらに、マダムたちは美容のための牛乳風呂、はては覚せい剤ダイエットにまで手を出すというほどの驚くべき贅沢ぶりだ。付け加えると、最高指導者の金正恩党委員長、そして故金正日総書記が、敵国である米国ブランド「アップルコンピュータ」のファンだった。
(参考記事:整形顔の「北朝鮮セレブ」はZARAとナイキがお気に入り)(参考記事:金正恩氏が「iMacユーザー」であることが確認…親子二代のアップルファン?)
そのうち、金正恩氏がコカ・コーラ、いやスターバックスのラテを片手に「アメリカ帝国主義に無慈悲な鉄槌を!」と叫ぶ日が来るのかもしれない。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。