人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

それでも、朝鮮総連の古臭い言葉尻をとらえて、大げさに報道する産経新聞の姿勢には違和感がある。

同紙は5月5日、「正恩第1書記に忠誠を誓う朝鮮総連傘下の青年団体『在日本朝鮮青年同盟(朝青)』に(朝鮮大学校の)卒業生を強制的に就職させていた」と報じているが、これも同様だ。朝鮮総連の運営する朝鮮大学校の学生たちの大多数は、就職先の選択を組織に預けることを前提に進学しているのであって、「強制的に就職」などということにニュースの価値などないのだ。産経の記者だって、本当はそれぐらいことは分かっているはずだ。

ちなみに、朝鮮学校や朝鮮大学校の内実についてはライター・安宿緑氏の著書『北の三叉路』(双葉社)に非常にリアルに描かれていて面白いので、興味のある読者はぜひ読んでみてほしい。

前述したように、私も朝鮮総連には大いに問題があると思っている。北朝鮮の工作機関・225局などから指示を受け、韓国での地下組織づくりや、日本の政界人脈構築に関わっているメンバーらもいるようだが、日本は言論の自由と結社の自由が保障された国だ。それさえも逸脱するような動きがあれば、取り締まりを受けるのは仕方なかろう。

(参考記事:韓国でつかまった北朝鮮スパイが「東京多摩地区」で会っていた人物とは!?
(参考記事:直撃肉声レポート…北朝鮮「工作員」関西弁でかく語りき

だが、より大きな問題は、人権に対する姿勢だ。