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ただ、朝鮮総連について何の予備知識もない大多数の日本人が産経の記事を読んだらどう感じるか、一抹の不安を感じずにいられない部分もある。

朝鮮総連はおそらく、産経の書いた通り「総攻撃・総決死戦」という言葉を用いて、内部の引き締めを図っているのだろう。字面だけ見れば、まるで武装テロ集団のスローガンみたいだ。しかし実際のところ、朝鮮総連はすでに、そのような戦闘的な集団ではなくなっている。過激な文言は、組織に勢いのあった1960~70年代からの惰性で使っているだけだろう。

少なくとも私は、本気で「総決死戦」に臨めるような総連関係者とは1人もあったことはない。そのことは、公安の朝鮮総連に対する監視活動の中でも明らかになっている。朝鮮総連の若年層がノンポリ化してしまったために、冷戦時代に作られた公安警察のマニュアルが、役に立たなくなっているのが実態なのだ。

(参考記事:【対北情報戦の内幕】総連捜査の深層…警察はなぜ公安調査庁に負けたのか

政界人脈づくりも

私は、朝鮮総連に問題がないとは思っていない。むしろその逆だ(詳細後述)。それを隠していないから、朝鮮総連から大いに嫌われていることも自覚している。