翻って、現在の状況はどうか。国力が低下した北朝鮮には、海外に強力な援助を送る余裕などほとんどない。商売として武器を売ったり、軍事顧問団を送ったりするのがせいぜいだ。
長らく「戦友」として付き合ってきた友好国も、商売一辺倒になれば関係は変化する。ウガンダだけでなく、エチオピアやイランの首脳も韓国大統領の訪問を受け、北朝鮮の核開発を間接的なりとも批判する発言を行っている。
勝負のテーマが商売であれば、北朝鮮が韓国に勝てるはずもない。
それどころか正恩氏は、外貨稼ぎのために友好国に「インチキ病院」を開設し、医療知識に乏しい現地の人々をカモにしている実態もある。
(参考記事:北朝鮮、海外に「インチキ病院」の怪ビジネス)正恩氏が、友好国からことごとくそっぽを向かれる日も遠くないのではないか。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。