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これは、十分に予想されたことだ。北朝鮮の核・ミサイル開発に対して、日本が毅然とした態度をとるのは当然だろう。だが、その後の政府の対応には、問題があると言わざるを得ない。

安倍晋三首相は先月の政府・与野党拉致問題対策機関連絡協議会で、北朝鮮による拉致被害者らの再調査などが盛り込まれたストックホルム合意について「破棄する考えはない。対話の窓口を閉ざすことなく、引き続きこの問題の解決に向け全力を尽くす」と改めて強調した。

安倍首相は、これをどこまで本気で言っているのだろうか。彼の言うストックホルム合意は、日朝間の懸案を解決したら国交を正常化しましょう、ということが前提になっている。しかし常識的に考えて、日本が金正恩体制の北朝鮮と国交正常化したり、大規模な経済支援を行ったり出来るとは思えない。

北朝鮮に清算させるべき問題は、核・ミサイル開発と日本人拉致だけではない。それらと同じくらい、人権問題の重要度が増してきている。そして、北朝鮮の国家的な人権侵害を国連で告発し、国際的なイシューとしてきたのは他ならぬ日本政府だ。

(参考記事:北朝鮮「核の暴走」の裏に拷問・強姦・公開処刑

自衛隊では救えない

そして、そうした経緯を知りつつ厳しく認識すべきなのは、金正恩氏が核やミサイルを放棄することはあり得ても、人権問題を進んで清算するなど考えられないという現実だ。