期日までに業者に代金を支払い、割り当てられた鋼材購入のノルマが達成できなければ、責任を問われ、北朝鮮に帰国させられてしまう。
厳しい叱責、取り調べを受けた後には、地方の閑職に追いやられる。そうなれば、海外には死ぬまで出られなくなる。貿易会社の社員たちは、中国での「自由で豊かな生活」を失うまいと必死になるあまり、違法行為に手を染めたり、商習慣に反する行為を行うのだ。
ノルマを達成し、指導者に忠誠を尽くせば地位は安泰かもしれない。しかし、国の信用はダダ下がりだ。そんなことを「愛国」「忠誠」の名のもとに行っているのだ。
大飢饉のきっかけ
もっとも、北朝鮮の「踏み倒し」は今に始まったことではない。