北朝鮮の女性たちは、軍隊内や職場内で性的暴行などを受けても、明らかにすれば、被害者である女性が侮辱されたり不利益を受けたりするので、女性は沈黙するしかない。そもそも人権の何たるかを知らないために、自分が人権侵害の被害者であるということにすら気づかない。
(参考記事:脱北女性、北朝鮮軍隊内の性的暴力を暴露「人権侵害と気づかない」)子どもに対する人権侵害も根が深い。北朝鮮の児童は、今の時期の「田植え戦闘」からはじまってクズ鉄集めなど、様々な奉仕労働に動員される。学校では忠誠の献金を要求され、これが払えない貧しい家庭の子どもたちは学校に行けなくなるケースもある。また、世界的に問題になりつつある「児童への性虐待」も、以前から存在するという情報が内部から伝わってくる。もちろん、北朝鮮当局がこうした問題について自発的に明らかにしたり、改善する姿勢を見せたことは一度もない。
(参考記事:北朝鮮の「児童性虐待」、救われぬ現実 )国際社会が、北朝鮮の女性と子どもの人権侵害を追及しているという情報が、国内に伝われば、徐々に北朝鮮国民の人権意識も変わっていく可能性がある。