北朝鮮出身の労働者が、受け入れ先のポーランドで長時間労働、賃金のピンはねなど人権侵害にさらされてきた問題を受け、ポーランド政府当局者は、労働者の新規受け入れを中止したと明らかにした。

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ポーランド外務省の報道官室は、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に対し「(今年初めの)北朝鮮の核実験とミサイル発射実験以降、北朝鮮労働者に対して労働ビザは1件も発行していない」と明らかにした。

監督を強化

また、北朝鮮国籍者に発行された労働ビザは昨年156件、それ以前に発行されたものを合わせて482件で、全体の発行数の0.7%だと述べ、ドイツの「VICE」が報じた1972件より遥かに少ないと強調した。

さらに、北朝鮮労働者がCRIST、NAUTAといった造船所で長時間労働を強いられているという報道について、実態に注目していると述べた。労働条件と、労働法が遵守されていているかについて注意深く見守っているとの意味と見られる。

これと関連して、国境警備隊と国家労働検査局は、北朝鮮労働者が雇用された職場に対する管理、監督を既に強化していると明らかにし、昨年11月の国連総会での北朝鮮人権決議案の採択を積極的に支持し、「全世界で人権が保護されなければならない」というのはポーランドの決意の表れであると述べた。

強権政治に批判

その一方でポーランドは、自国の人権問題を巡り国際社会と対立を深めている。

昨年11月に誕生した極右政権は、その強権的手法や、司法やメディア掌握に対して国際社会から非難を受けている。EUの行政を担う欧州委員会は、今年1月からポーランドに対する調査開始。今月1日、ポーランド政府に対し「法の支配の原則を侵している」と非難するに至った。

そんな状況で新たな火種を抱え込む余裕はないと見られ、現在雇用されている北朝鮮出身の労働者たちは、ビザまたは契約満了と共に出国を余儀なくされるものと思われる。

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