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北朝鮮の学校は、子どもたちの教育のためにあるわけではない。勤労動員やノルマを強制し、生徒たちを外貨稼ぎと国家事業のために利用する搾取機関に転落してしまった。

また、慢性的な経済難のため配給が途絶え、両親と共に生活の一線に立たされた子どもたちは、食べ物を手に入れるためにお金を稼がなければならない。生活が大変な家庭の子どもたちには勉強する時間もない。両親の代わりに商売をしなければならないからだ。

その場所は学校だ。学校はもはや勉強をする所ではなく、生徒たちがお金を稼ぐ場所に変わってしまった。

特に、4月から行われてきた150日戦闘で、大人たちがさまざまな国家事業に動員されたため、両親に代わって子どもが働いて生計を立てている。

デイリーNKの内部情報筋は「『150日戦闘』のため、市場の開場時間が午後4時から夜9時までと決められた。工場に出勤する住民たちは、商売どころか買い物をする時間さえ奪われてしまった」「学生たちが両親に代わって商売をして食料を買いに行く」と伝えた。

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この情報筋は「労働者の場合、夕方5時に1日の作業を終えて作業の総和をした後帰宅すると7時になる。1日中動員で苦しんだ住民がまた市場に出かけて行って食料を買うのはとても大変」と背景を説明した。

最近の子どもは大人のように商売手帳を持ち歩き、両親が市場に行けない場合には代わりに買い物に行く。このようなお使いは、日本では当たり前の光景だが、市場は危ないところとされている北朝鮮では驚きを持って受け止められるようだ。

「わざわざお金をあげなくとも、これとこれを買ってきてと言ったら、子どもは商人と値段交渉までして買ってきて、全部家計簿に付ける。両親が仕事で苦労していることをよく分かっているから、子供たちも自分からお金を節約している」(情報筋)

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子どもたちはお使いに行くだけにとどまらず、両親の代わりに市場に行って商売をする。

「午後には子供たちが路地に座って商売をしている。保安員(警察官)も、さすがに子どもが売っている品物を奪うことはできず、追い払うだけだ」(情報筋)

食料品の販売だけでなく、衣類やテレビなど家電の販売も行い、製品が書かれた紙の札を前に掲げて、駅前や市場の周辺に立って商売しているそうだ。品物は家に置いてある。

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「以前なら子どもたちが両親の代わりにちょっと店番をすることはあっても、せいぜい食料品の販売だったが、もはや扱う商品を問わない。しかも学校でクラスの友逹を相手に商売している子どもも多い」(情報筋)

中学生の学生カバンは売る品物だらけ、ツケで押し売りも

教育機関は6月末、恵山市の渭淵洞(ウィヨンドン)の中学生たちを対象に、荷物検査を行ったところ、カバンの中から運動服、ガム、DVD、イカ、タラ、中国製のおもちゃ、タバコが出てきたという。これはクラスメートに売る品物だ。

教室の中で販売をするが、ツケで売ることもあり、立場の弱いクラスメートにタバコ、ボールペンなどを押し売りし、翌日から利子を取る者すらいる。

北朝鮮の学校がこのように変貌してしまった理由について情報筋は、「150日戦闘」のために両親が店に立つことができなくなり、子供はお小遣いがもらえないから自分でお金を稼がなければならなくなった」「こうした商売はもう数年前から普通のことになった」と説明した。

教育現場が生存のために利用されるようになり、子供たちは学校で商売をしている。学校が人材の養成ではなく、商売のために活用されている国がまさに北朝鮮である。

(参考記事:【崩壊した北朝鮮の教育(4)】北朝鮮を変える「苦難の行軍世代」