北朝鮮とのビジネスは非常にリスキーだ。国際社会の経済制裁、私有財産権の未確立、利益の国外持ち出し禁止など、投資するにはあまりにもリスク要因が多い。北朝鮮との商取引で問題が生じ、頭を抱えている中国の貿易業者は一人や二人ではない。

中朝国境地方のある貿易業者は、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に対して、「北朝鮮とのビジネスはギャンブルだ」と言い切る。

この業者によると、契約時に「契約書」を交わすが、形だけで、内容は北朝鮮に有利になっているという。

まず、契約書の草案は輸出、輸入を問わず、北朝鮮側が作成する。いかなる場合でも、北朝鮮の業者は「甲」、中国の業者は「乙」に定められる。

一般的には、力の強い者が「甲」となり、弱い者が「乙」となるが、この時点で中国の業者にとっては不利となる。異議を唱えても「内部事情だからしょうがない、理解してくれ」と言われる。

もちろん、ここで中国側が折れなければ取引は不成立。また「紛争が生じた場合には、国際紛争調整機構にて解決する」と明記されているが、具体的にどの機関で調停を行うのかは明記されておらず、こちらも形だけに過ぎない。

中国の別の業者によると、取引は大抵「ツケ」で行われるため、代金を支払ってもらえないケースが続出しているが、契約書にはどのように補償するか不明確になっているため、泣き寝入りせざるを得ない。

もちろん、一方的な契約の破棄は北朝鮮の「お家芸」だ。中国の業者が不安に駆られているのは、国際社会の経済制裁により、貿易代金の決済が以前にも増して遅延気味だからだ。

大きな会社でも、長期の延滞で資金繰りに苦しみ、北朝鮮まで取り立てに行くことも少なくないという。 そんなリスキーな相手となぜ取引を続けるのだろうか。

おそらく儲かる、つまりハイリスク・ハイリターンだからと見られる。

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