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日韓条約については、「屈辱条約」という批判があるが、韓国経済の礎を築いたことは間違いない。そして、朴正煕氏は、ライバル関係にあった金日成氏との体制間競争の勝利を決定的にした。

朴正煕氏の開発独裁政治を全肯定するつもりは毛頭ない。ただし、国家の指導者が、まずなすべきことは「民を飢えさせない」「国家の発展」だ。この点から朴正煕氏と金日成氏という二人の為政者を対比した時、朴氏に軍配が上がるのは否定しようがない。

実現しなかった金日成の遺言

金日成氏は、死去する前年、1993年の「新年の辞」で「すべての人が白い米の飯を食べ肉のスープを飲み、絹の衣服を着、瓦葺きの屋根の家に住むというわが人民の願望を実現することは社会主義の重要な目標である」と訴えた。