人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

だが実際、ここ10数年の市場経済化により多少改善されたとはいえ、貧しく抑圧された庶民生活は依然として続いている。何よりも権力に比例して利権が増えるいびつな経済構造が北朝鮮では強固に根付いており、庶民と権力層の格差は日増しに拡大。それとともに、警察官などに対する報復的な殺人事件も増えている。

(参考記事:妻子まで惨殺の悲劇も…北朝鮮で警察官への「報復」相次ぐ

単純な今回の事件は、思わぬところで、庶民の「怒り」を浮き彫りにした。現在までも、金氏の行方はようとして知れないという。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記