高利でカネを借りることは、普通の商売人にとってはリスキーだ。しかし、そもそも「ハイリスク・ハイリターン」なシノギを稼業とするヤクザにとって、高利貸しは非常に便利な存在である。
また、資産インフレが続いていた高度成長期には、どれだけ早く動き、有望な不動産を確保するかが商売の要でもあった。
「典型的だったのが、在日のパチンコ屋。駅前の一等地を、相場より高いカネを使ってでも押さえなければならない。当然、同業者と競合するからヤクザの腕力も要る。西日本の超大物政治家のスポンサーとして知られるパチンコ業者も、そうやって商売を広げたんだ」(西日本の金融業者)
バブル紳士の中心
どんなビジネスにも「汚れ仕事」の需要はあるものだが、1980年代のバブル期にはむしろ、こうしたやり方が日本経済の主流にさえなった。