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南米に派遣されている外交官たちはパナマ、キューバ、ブラジルを往来しながら、「葉巻タバコ」のビジネスを行っている。しかし、制裁により、各国の締め付けも厳しくなった。利益を本国に送金することも困難だ。

(参考記事:いよいよバレはじめた北朝鮮「制裁逃れ」の手口

北朝鮮の海外駐在員たちは、時には違法ビジネスに手を染めながら、良くも悪くも世界の中で生き残るため、本国を支え続けてきた。なかには使命感を持って北朝鮮のために尽くしてきた人物もいるはずだ。しかし、金正恩氏は核とミサイルの暴走で、彼らの努力を踏みにじり、あまつさえ彼らの存在すら脅かそうとしている。超エリート層にもかかわらず「帰国したくない」と本国に嫌気がさすのは、さもありなんというところだろう。

(参考記事:徐々にわかってきた金正恩氏の「ヤバさ」の本質
(参考記事:金正恩氏が「暴走」をやめられない本当の理由

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記