北朝鮮で今年1月に続き、またもや落書が見つかったとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。落書きが見つかった場所は、北朝鮮の両江道(リャンガンド)。北朝鮮当局は、大々的に捜査に乗り出した。

落書事件が、知れ渡るきっかけは秘密警察・国家安全保衛部(保衛部)のある指示だった。

今月10日、保衛部は人民班(町内会)、工場、企業所、学校など、ありとあらゆる組織に「歌の歌詞や詩を紙に書いて提出せよ」という指示を下した。しかし、住民たちは、この指示が「落書を書いた犯人を見つけるための筆跡調査」であることに気づく。

保衛部は、筆跡調査間でしながら捜査を進める一方で、落書き事件の詳細についてはまったく明らかにしていない。

かつて、こうした落書きが発見されれば、大々的な政治講演会が開催され、「党大会を妨害するための反党、反革命分子の策動が露骨なものとなっている、革命的警覚性(警戒心)をさらに高めよう」と統制を強める機会となっていた。しかし、保衛部はむしろ、落書きの噂が広まることにナーバスになっている。

どうやら下手に「落書き事件」について明らかにすると、逆にその噂が広がり、やぶ蛇になりかねないと思っているようだ。

保衛部が事件の詳細を明かさないため、住民たちも「これはタダ事ではない」と思い、口を開こうとしない。事件が起きたことは知っていても、いつどこで起きたのか、具体的にどのような落書がされていたのかについて、現時点で噂は広がっていない。

同時に、政治的に敏感な問題であるため、全体的に大人しくしながらやり過ごそうとする空気が漂っている。

しかし、一部からは「落書は、金正恩氏や国を非難したものだろう」と話す人や、「70日戦闘でその日暮らしをしている人々を苦しめたからだ、ざまあみろ」「結局、忠誠心なんて嘘っぱちだ」など、露骨に体制を批判する声もちらほら聞こえるという。

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