北朝鮮は4月と5月に大きな行事を控えている。4月の15日は「民族最大の名節」と言われる太陽節、つまり金日成氏の誕生日だ。この日には全国各地で様々な記念行事が行われるため、その準備が行われている。

また5月には、36年ぶりの開催となる朝鮮労働党第7回大会に向けて「70日戦闘」と呼ばれる運動が大々的に繰り広げられている。

こうしたなか、行事に関連して都市美化事業が大々的に行われているが、勤労動員やカネの徴収が相次ぎ、住民たちの間では不満が高まりつつある。

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、人民班(町内会)の班長は早朝から家々を訪れ、道路の補修工事、河川の整備事業、花壇の造成などの工事に参加するようにふれて回る。

住民たちは、今年に入ってから堆肥戦闘、核実験とミサイル発射を祝う集会、3月2日の「植樹節」の事業などに、立て続けに動員された。さらに、建物の塗装、壁の修理、花壇の造成など、太陽節に向けた都市美化事業に使うとの名目で1万北朝鮮ウォン(約150円)を徴収されたという。

その手口は、地域の都市経営事業所に所属する工場の担当者、マンションの各部屋を周り「外壁をきれいにしてやるから1万北朝鮮ウォンを出せ」と強要するというものだ。押し売りならぬ「押し塗り」だ。様々な理由で今まで徴収された金額は5万北朝鮮ウォン(約750円、コメ10キロ分)に達する。

住民たちの不満は高まる一方だが、幹部は「70日戦闘が終わった後で『総和事業』を行う」と述べ、恐怖心で住民の不満を押さえつけている。

この「総和」とは総括のことだが、「党大会を成果でもって開くための70日戦闘」の期間中であるため、もし動員に参加しなければ激しく批判され、最悪の場合、政治犯扱いされかねないのだ。

それでも住民の不満を完全には抑えつけられていない。一部住民の間からは「動員が多すぎて頭がおかしくなりそうだ」との不満の声が上がり、なかには人民班の班長に食ってかかる住民も現れるなど、不穏な空気が流れている。

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