北朝鮮では、5月に開催予定されている36年ぶりの第7次朝鮮労働党大会を前に、大増産運動「70日戦闘」が繰り広げられている。朝鮮労働党の機関誌「労働新聞」は、70日戦闘の目標を早期達成したという事例と報告を喧伝しているが、大抵こうした報告は虚偽報告や水増し報告のオンパレードで、後々弊害が出て来るという北朝鮮お馴染みの「悪習」となっている。

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70日戦闘などの大増産運動が始まれば、各地方には様々な無理なノルマが与えられ、住民たちは無償の奉仕運動に強制動員される。大規模な建設現場では、労働者達がより劣悪な環境で労働を強いられることになる。

例えば、炭鉱や工事場では、マスク、手袋など基本的な安全装具はなく、建設装備や資材不足によって原始的な肉体労働に依存せざるをえない。金正恩氏鳴り物入りで進められている「白頭山英雄青年発電所」の現場でさえも、たいまつをつけて凍った土を割り、採取した砂錫(錫の原料)を麻袋に入れて担ぎ、滑りやすい坂を休まずに走りっぱなしで運ばなければならない。こうした劣悪な労働環境では、労災事故が起きることは避けられない。

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案の定というべきか、北朝鮮の両江道(リャンガンド)で進められている白頭山観光鉄道(三池淵線)の工事現場で土砂崩れが発生、労働者が死亡するという悲惨な事故が発生した。