北朝鮮の朝鮮中央通信は1日、「現世界政治秩序は不公正である」とする、朝鮮国際政治問題研究所論評員の寄稿文を配信。その中で、核実験とミサイル発射を巡る国連安全保障理事会の制裁決議に賛成した中国を辛らつに批判した。

寄稿文は、米国主導の世界秩序を非難するとともに、中国について「体面と名分をそんなにも重視するという一部の大国まで米国の卑劣な強迫と要求に屈従し」「血でもって成し遂げた共同の獲得物である貴重な友誼関係もためらうことなく投げ捨て」たと指摘。

名指しを避けつつも、異例の厳しさで長年の友邦に対する批判を展開している。

朝鮮中央通信の報道全文は次のとおり。

朝鮮国際政治問題研究所の論評員、現世界政治秩序の不公正さを暴露

【平壌4月1日発朝鮮中央通信】朝鮮国際政治問題研究所の論評員が、現世界政治秩序の不公正さを暴露する記事を発表した。

記事は、こんにちの世界政治舞台は不義と強権、覇権と専横、侵略と支配がはびこり、国際関係の最も初歩的な原理・原則まで無視される強大国中心の暴力的乱舞場に変わったとし、次のように暴いた。

米国を首かいとする横暴な帝国主義勢力は弱小国の自主権と生存権を公然と蹂躙(じゅうりん)し、露骨な支配と干渉をこととしている。

国連をはじめ国際舞台で主人のように振る舞う「特権」勢力はほとんど、発展途上国の自主的な要求と利益を乱暴に踏みにじっており、すべての問題を自分らの利益に即して一方的に処理している。

最近、わが共和国を巡って激突する情勢の流れは極度に不公正で、日を追って堕落していく世界政治の縮図であり、最も明白な証明となる。

今、米国とその追随勢力はわれわれを国際社会で許せない存在、「悪の根源」に描写し、史上類例のない経済制裁と軍事的圧迫を加えている。

最近は、われわれの小型化された水爆保有の宣言と自衛的な軍事的措置について世界の平和と安全に対する「深刻な脅威」と「挑発」に罵倒し、「政権交代」と「体制崩壊」を露骨にけん伝し、膨大な核打撃手段と特殊戦兵力まで総動員している。

記事は、敵対勢力がそれほど問題視するわれわれの核保有について言うなら、それは数十年間、われわれを核で脅かして恐喝し、あらゆる制裁と圧迫を加えてきた米国の侵略に立ち向かってわれわれの自主権と尊厳、生存権を守るための正々堂々たる自衛的選択であると明らかにした。

また、米国とその追随勢力がわれわれのチュチェ衛星の打ち上げを「弾道ミサイルの試射」だの、「国連決議違反」だの、何のとして言い掛かりをつけるのはなおさら理に合わないとし、次のように続けた。

明白に、米国はもちろん、数多くの国の衛星もキャリア・ロケットによって宇宙に打ち上げられるが、唯一、われわれのキャリア・ロケットだけが世界の平和と安全に脅威を与えるというのは強弁であり、強盗さながらの詭(き)弁だと言わざるを得ない。

問題は、体面と名分をそんなにも重視するという一部の大国まで米国の卑劣な強迫と要求に屈従し、はては三文の値打ちもない親米娼婦の鼻持ちならぬスカート旋風に相づちを打つ想像外の汚らわしい事態が公然と起きていることである。

血でもって成し遂げた共同の獲得物である貴重な友誼関係もためらうことなく投げ捨て、この国、あの国と密室結託してつくり上げたいわゆる結果物で正義と真理を踏みにじろうとする惨憺(たん)たる現実の前で、われわれは世界政治の虚像と真実を再度明白に見抜くことになる。

今、世界政治構図は米国の指揮棒の下に諸強大国が会して自国の利害・得失によって陰謀、結託したり、互いに排斥する混濁する賭博場に完全に変質している。

米国は、自国の侵略的かつ覇権的な正体を覆い隠すために、国連を世界政治の前面に推し立て、名目上、国連安保理常任理事国のポストについている5カ国が地球の各地で起きている大小のすべての問題を討議、決定、執行、監督すると言っている。

しかし、突き止めてみればこれ自体がきわめて荒唐無稽(けい)で至極不正常なことである。

率直に言って、強大国と自称する5カ国が国連という国際政治舞台でこれ以上、他国を代表する資格や権利を持っているかということである。

どの国も、それらの国々に自国に代わって何かを解決したり、決定してくれと請託したことがなく、また、それらの国々にはそのような能力もない。

人類は今、自主と正義でもって歴史発展の新しい時代を開拓するか、でなければ弱肉強食の法則が支配していた原始的暗黒期に引き続き後退するかという重大岐路に立たされているとし、次のように強調した。

不公正かつ不正義の世界政治秩序について痛嘆ばかりすべきではなく、果敢に変革の火を点じなければならない。

世界に良心と知性があるなら、真理と正義に対する渇望と情熱が残っているなら、こんにちの不公正な国際政治の現実に反旗を翻して憤然と立ち上がらなければならない。

われわれは、正義と平和守護の核の霊剣を高く掲げ、米国がつくった不公平な国際秩序とそれに盲従して「慣れ」ようとする大小の国々の行動を正し、すべての国と民族の自主権と平等権が保障され、信頼と相互尊重の土台の上に互いに協力していく真の人類の社会、公正な人類の社会を建設するための闘争の先頭に立っていくであろう。―――

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