南北間での緊張が高まるにつれ、双方の「ビラ合戦」がエスカレートしている。韓国の聯合ニュースによると、ソウルで北朝鮮から来たものと思われる宣伝用のビラが大量にばらまかれているのが発見され、警察が捜査に乗り出した。

ビラが発見されたのはソウル市内の東大門区でのことだ。31日の午前0時頃、区内の住宅街に北朝鮮を賛美し、韓国や朴槿恵大統領、米国を非難するビラ8000枚とCD19枚がばらまかれているのが発見された。同時にビラが詰められていたと見られる風船も発見された。

今月に入ってからも、韓国の各地で数千枚から1万枚の北朝鮮製と思われるビラが相次いで発見され、現在までに散布された数は700万枚に達するものと思われる。

一方、韓国の民間団体もそれに対抗して、北朝鮮に向けて宣伝用ビラを飛ばしている。

韓国メディアによると、脱北者団体「自由北韓運動連合」と保守団体「国民行動本部」は、今月26日と28日の2回に渡って、ビラ18万枚を風船に入れ、北朝鮮に向けて飛ばした。風船1つには2万枚のビラが入っている。

また、別の団体も今月5日にビラ30万枚を風船17個に入れて北朝鮮に飛ばしている。

北朝鮮の核実験、ミサイル発射などを非難する内容が書かれたこのビラだが、自由北韓運動連合のパク・サンハク代表は「5月までに1000万枚を飛ばす」と語った。

韓国軍と警察は「法的根拠は弱い」としつつも「北朝鮮の挑発行為を煽る」という理由で、北朝鮮に向けてビラを飛ばす行為を阻止してきた。それに対して、脱北者のイさんはビラ散布を阻止され「精神的苦痛を受けた」として、韓国軍と警察を相手取り損害賠償を求める裁判を起こしていたが、大法院(最高裁判所)は28日、訴えを退ける判決を下した。

北朝鮮は、韓国側からのビラ散布に対して「大砲やミサイルで撃ち落とす」などと強い警告を発しており、人的、物的被害はなかったものの実弾による威嚇射撃も行っている。

地域住民や商人は「北朝鮮からの報復砲撃が怖い」「ビラ散布行事が行われる日には、客が来なくなり売上が激減している」などと強い反対の声を上げているが、今後もビラ散布は続けられる見込みだ。

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