莫大な予算が投じられ、今年最大級の大型工事と言われるこの工事。その利権をめぐり熾烈な競争が繰り広げられた。結局、国家保衛部(秘密警察)系の企業が「落札」に成功し、他の省庁はショックを受けているという。
慈江道(チャガンド)の情報筋によると、金正恩氏は北倉火力発電所の設備更新と補修工事を国家保衛部に委任した。形の上では「委任」だが、実際には金元弘(キム・ウォノン)保衛部長の粘り強い要求を金正恩氏が受け入れたものだ。
国家保衛部の事情に詳しいこの情報筋によると、金元弘氏は、発電所のタービンを傘下の貿易機関である「テブ貿易」を通じて中国とロシアから輸入できる、労働者、技術イルクン、保衛大学の学生1000人を動員し、10万キロワットのタービン20台の更新と熱設備の補修工事を6月から8月末までに終えられるなどと、何度も繰り返し提案した。